入母屋造りの切妻屋根に導かれ、厳粛な山門に足を踏み入れると、心が踊ります。作りが複雑な八角井の周りを生命の様々な姿が取り巻き、正殿の書の筆使いからは歴史が感じられます。龍の石刻柱には生き生きとした龍が絡みつき、香の煙がゆらゆらと立ち昇る中で、世の人々の願いを天まで届けます。その眉間に皺をよせた顔つきは、聖が投げられた瞬間和らぎます。台湾で最も古い歴史をもつ龍山寺を訪れると、複雑で単純な世間の様々な有り様や、人生とは一瞬でどんなに短くも長いものか、そして人々が悩みや憂いを胸にやって来て、救いと贖い、感動を感じながら去っていくのを見るのです。