遠い昔、人々は金鉱発掘の夢を胸に九份へ詰めかけ、山の斜面に覆いかぶさるように家が建てられ、人々はこの地に根を下ろし、栄えました。ゴールドラッシュ熱が過ぎ去った後、九份の古い街並はにぎやかな街へと変わり、もっちりとした口当たりの芋圓、塩味と甘味のどちらも楽しめる芋粿巧や草仔粿はどれも観光客からの人気No.1の名物となりました。赤いランタンに沿って九份の街並みの頂に上がり、気の向くままに入った小さな店で、黄昏色の温かいお茶で一服し、海や山のつぶやきに耳を傾けます。九份は侯孝賢監督の『悲情城市』で変化し、宮崎アニメの『千と千尋の神隠し』の千尋が姿を隠した場所です。今でもここは相変わらず賑やかで、喧噪の中で、物売りの声が飛び交います。まるで黄金の夢の中で深い眠りにつき、まだ目覚めていないかのようです。